■松の香りで交通事故低減に貢献
当社は、2015年から香川大学 創造工学部の鈴木桂輔教授の研究室に依頼し、お香が脳活動や神経活動に与える効果を検証するための共同研究を進めてきました。
2016年6月には「お香には心を落ち着かせ作業時の集中力を高める傾向がある」という結果をまとめ香川大学が学会で発表。
続いて、「お香の匂いには作業中の緊張やストレスを緩和させると同時に、集中度を向上・維持させる 傾向がある」ことなどが実証されました。
さらに、現在 香川県は交通死亡事故率で上位(平成30年度は全国ワースト6位)にランクされていることから、車内で香りを嗅ぐことによって主な死亡事故の要因である漫然運転(注意力低下、眠気)を防止することができるのではないかとの仮説に基づく検証を行い、香川大学によって昨年9月に発表されました。

■運転中の事故「ゼロ」をめざして栗林公園や盆栽で香川県に馴染みの深い松の香り(パインオイル)を使い 、ドライビングシミュレータでの実験を行った結果、香りを嗅ぎながら運転することで、適度な集中とリラックスが促され、香りを嗅がなかったときと比較して、相対的に4割程度の追突事故の低減効果が確認できました。
この結果をもとに、当社でお香の成分を加えて一般的に好まれる香りに調合し製品化したのが「 KOKO zero 」です。

商品名には「 運転中の事故ゼロを実現する」という意味合い込めました。

■香川大学における実験の概要

【実験参加者】
●香川大学の男子大学生15 名(平均年齢23.4 才)

【実験のパターン】
●ドライビングシミュレータキャビンに着席しハンドル、アクセルを操作
●5 分間の開眼安静状態のあと、20 分間にわたり先行車を追従走行
● 香り提示2 分、送風のみ2 分を交互に繰り返す
●先行車との車間距離を一定に保ちながら走行し、香りを提示した場合と提示しない場合の反応を比較
●制動反応時間、平均速度、衝突回避余裕時間を数式に当てはめて算出し評価
●開眼率(目を開いている度合)を香りがある場合、ない場合で比較

【実験結果】
●ドライビングシミュレータを用いた実験により、交通リスクに対するドライバーの反応時間、平均原速度、TCA(衝突回避余裕時間)を比較した場合、自分が好む香りを嗅いだときは制動反応時間が有意に短縮した。嗜好性が低い(好まない)香りを嗅いだ時には有意差は確認できなかった。
● 脳波や開眼率については統計的に有意な差は確認されなかった
● ドライバーが好む香り(パインオイル)の場合は、相対的に43.8%の事故低減率を確認できた。